データ戦略室 室長

園田 展人(SONODA Hiroto)

所属部署
データ戦略室
専門分野
デジタル・イノベーション

経歴

大学院工学系研究科情報工学専攻修了。大学院ではコンピュータビジョンの研究に従事。電子機器メーカーのエンジニア、外資コンサルティングファームを経て、2020年9月に東京海上ホールディングス株式会社に入社。2021年7月より東京海上ディーアールにて現職。東京海上ホールディングス シニアデジタルエキスパートを兼務。
早稲田大学 未来イノベーション研究所 客員教授、内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術 技術評価委員、経済産業省 グリーンイノベーション基金事業 技術・社会実装推進委員。
主要著書に「人工知能の未来2020-2024」「ロボットの未来2019-2028」「モビリティの未来2019-2028」「エネルギーの未来2020-2029」「ゲームチェンジングテクノロジーの未来2020-2029」(全て日経BP)などがある。

データ戦略で東京海上ディーアールの未来を描く

東京海上ディーアール(TdR)は、東京海上グループ全体のデータビジネス創出の橋頭堡として設立されました。ここでいうデータビジネスとは、「スケールフリーネットワークの特性を踏まえたビジネス」を指します。すなわち、パーコレーションと呼ぶ「ある臨界点に達すると充填率が飛躍的に伸びる現象」を巧みに利用したビジネスのことであり、これによってGAFAなどの巨大IT企業は短期間で不動の地位を築きました。

現在、データビジネスの主戦場はサイバー空間でなく、CPS(Cyber Physical Space)に移行しつつあります。このことを踏まえ東京海上ディーアールは、モビリティやファクトリー、ヘルスケア、エネルギー、ESGなど様々な領域で多様なCPSにおけるデータビジネスを生み出していくことを目指しています。

もちろん、ただやみくもに事業創出を志向すればいいというわけではありません。そのビジネスでどう社会課題を解決していくのか、その取り組みをどう大きなムーブメントにしていくのかといった検討を含む、戦略の立案と遂行こそが極めて重要になります。それを担うのがデータ戦略室です。そのデータ戦略は、1)サーチング、2)インキュベート、3)PR・マーケティングの三つの機能によって成り立っています。これらのエキスパートたちがチームとして連携しながら、新たな領域で新しい事業を生み出すべく活動を深化させています。

  • スケールフリーネットワークとは、ネットワークの形態を表す言葉。多数のリンク(ノードをつなぐもの)を備えたごく少数のノード(ネットワークの要素)と、わずかのリンクしかつながっていない大多数のノードで構成されているのが特徴。スケールフリーネットワークは、情報が急速に浸透する「パーコレーション」と呼ばれる現象が発生しやすく、これが近年登場した巨大IT 企業に、ある時期から急成長するチカラをもたらしたといわれている。

カギとなる「三つの機能」の連携

前述したように、データ戦略室には三つの機能があります。まず、データビジネスの種をサーチする機能。二つ目はデータビジネスをインキュベートしていく機能。最後がPR・マーケティングを推進する機能です。

「サーチング」のチームに求められるのは、技術やスタートアップ企業の目利き、未来予測の能力です。これに長じた社内外の人材がこの機能を担います。
次の「インキュベート」で重要なのは、いかに巧みに社内外のステークホルダーを巻き込み、プロジェクトマネジメントしていくか、ということでしょう。ここでは、ビジネス、テクノロジー、デザインのエキスパートたちとその境界領域での価値創出を意味するBTD(Business, Technology, Design)融合という視点が欠かせません。そのうえで、単にプロジェクトマネジメントの役割を担うだけでなく、局面によっては自らが主体となって事業を遂行することも必要になります。
三つ目の「PR・マーケティング」は、スケールフリーネットワークを前提としたデータビジネスでは欠かせない活動となっています。自身の世界観、目指す姿を広くマーケットに伝える努力を続けることなく、エコシステムを構築することは困難だからです。

ここでご紹介した三つの機能は、厳密には独立したものではありません。むしろ、それぞれが有機的に結合してこそ相乗効果を生み出すものであり、そのことを前提とした組織体となるよう留意しています。

東京海上ディーアールだからこそできること

東京海上ディーアールには三つの強みがあります。
何よりもまず、新しいビジネスを生み出しやすい風土があることでしょうか。東京海上ディーアールの前身は東京海上日動リスクコンサルティングというコンサルティング会社でした。ここで磨かれた能力は、「達成すべきゴールに向かって、最も良い選択肢を選ぶ」ということで、このことが社の風土として浸透しています。そのことが「未知の取り組みに対してもスピーディに進める」ことを可能にしています。

次に、社内外のステークホルダーを巻き込む人材が豊富にいることです。前身の時代から東京海上グループに加え、様々な企業や機関、大学などと連携しながら新しいものを作り出すことを推進してきました。その活動を通じ、データビジネスに必要なスケールフリーネットワークの素地はすでにできていた、ともいえるでしょう。

最後にCPS時代に不可欠な「テクノロジーを理解する素地」があります。東京海上ディーアールのコンサルタントには、メーカーでR&Dに携わったコンサルタントや博士号を持つコンサルタントも多くいます。
こういった強みが、新たなデータビジネスを創出する原動力となっているのです。

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