CDP気候変動2019スコアリング方法の傾向について

  • 経営・マネジメント
  • 環境

2019/5/17

 企業の気候変動課題に対する取り組みを評価するCDP(※1)の回答期限(2019 年7 月末予定)が迫っています。CDP には気候変動、水、森林の3 つのプログラムがありますが、このうち気候変動のプログラムでは、昨年度、約300 社の日本企業が回答し、年々、企業や機関投資家からの注目が高まっています。

CDP は、独自の方法論に基づくスコアリングを実施しています。各設問について、環境スチュワードシップの取り組みレベルで、下から順に「情報開示(情報開示の度合)」「認識(事業にかかわる環境課題等を評価しようとしているか)」「マネジメント(環境問題に対する活動等をどの程度策定・実行しているか)」「リーダーシップ(環境マネジメントにおいてベストプラクティスといえる活動をしているか)」の4 つのレベルに分けて採点され、最終的に各レベルでの得点率を用いて「A」~「D−」の8 段階で評価されます(※2)。また、「マネジメント」レベルおよび「リーダーシップ」レベルの配点については、CDP が設定したカテゴリー別の重みづけがされており、先日公開された2019 年度の一般質問書では、以下のようなカテゴリーで配点割合が比較的高くなっているのが特徴です。

今年度の気候変動質問書では、設問内容については昨年度から大きな変化はありませんでしたが、一部回答欄が修正された箇所が見られます。例えば、特定したリスクの影響に関する設問(設問番号:C2.3a)および特定した機会の影響に関する設問(設問番号:C2.4a)の財務影響についての回答欄では、今年度から財務影響額の最小値および最大値を回答することが可能となりました。

企業の気候変動に対する取り組みは、ESG(環境・社会・ガバナンス)を意識する機関投資家を中心に注目されており、企業はCDP への回答を通じて機関投資家の情報開示の要請に応えることができます。今年度の回答を予定している企業の皆様は、回答に向けて、自社の気候変動に対する取り組みを振り返り、上記のようなカテゴリーも考慮しながら情報開示の可能性を検討することが望まれます。

※1 CDP:世界の主要企業のCO2排出量や気候変動の取り組みに関する情報を質問書にて収集し、収集した回答を分析、評価する非政府組織(NGO)
https://www.cdp.net/ja


※2 CDP のスコアリングの詳細については、過去のレポート(リスクマネジメント最前線「CDP 気候変動2018 質問書」について

http://www.tokiorisk.co.jp/publication/report/riskmanagement/pdf/pdf-riskmanagement-204.pdf)をご参照ください。

執筆コンサルタントプロフィール

藤井 裕貴
製品安全・環境本部 CSR・環境ユニット シニアコンサルタント

コンサルタント紹介を見る

コラムトップへ戻る