パワハラ防止対策の法制化について

  • 人事労務

2019/10/1

201965日の労働施策総合推進法の改正により、パワーハラスメント(以下「パワハラ」)の法的定義が示され、その防止対策が法制化されました。本法制化の注目すべき事項についてご紹介します。


(1)パワハラ労使紛争が民事調停の対象となる

これまでパワハラに関する労使紛争では、紛争調整委員会から指名される委員によって、当事者間の話し合いを促す “あっせん”によって解決を試みるケースが多くみられましたが、今回の改正により紛争調整委員会が当事者に案の受諾を勧告することができるようになります。

あっせんは1人の委員で担当するのに対し、調停は3人の委員の合議で運営され、より法律的な争点が多い事案にも対処しやすくなります。調停を利用することで、紛争が初期段階で解決できるようになれば、被害者と企業の双方にとって、労力の軽減が期待できます。


(2)パワハラ防止のため雇用管理上の措置の義務付け

本改正により企業に対して、パワハラ防止のための雇用管理上の措置(相談体制の整備等)1が義務付けられます。この義務に違反した企業が、労働局の是正勧告に従わなかった場合、企業名が公表される可能性があります。企業は、ブランドイメージ・信頼性の低下を招かないためにも、パワハラをはじめとしたハラスメント防止対策を積極的に行わなければなりません。


パワハラ防止対策の具体的内容としては、厚生労働省の「パワーハラスメント対策導入マニュアル」2にも記載されている、以下の7つの取組が参考となります。

 ①トップのメッセージ

 ②ルールを決める

 ③実態を把握する

 ④教育する

 ⑤周知する

 ⑥相談や解決の場を提供する

 ⑦再発防止のための取組

パワハラ防止対策を効果的に進めるためには、取組の早い段階で上記③の実態把握を行うことがポイントとなります。まずは、従業員が職場でパワハラを感じているかの実態調査(アンケート)を行ってみてはいかがでしょうか。

 

1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律について」令和元年65日付の通達(雇均発 0605 第1号)

https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T190729M0020.pdf

 

2 厚生労働省 パワーハラスメント対策導入マニュアル(第3版)

https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/pdf/pwhr2018_manual.pdf

執筆コンサルタントプロフィール

山元 雅信
製品安全・環境本部 製品安全第二ユニット シニアコンサルタント

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