令和元年台風19号の被害や企業の対応について

  • 自然災害

2019/10/17

 令和元年台風19号(アジア名称:ハギビス(Hagibis))が、201910月12日夜に伊豆半島に上陸しました。その後、この台風は関東地域を北東方向に縦断し福島県沿岸にて太平洋に抜けて、三陸沿岸で熱帯低気圧に変わりました。関東、中部、東北地方では、記録的な大雨が発生し、各地で甚大な水害が発生しました。

 このコラムでは、この被害速報をまとめると共に、今回の災害に対する特徴を振り返ります。なお、この災害の詳細については、後日、弊社のリスクマネジメント最前線にて改めてご報告いたします。

1.台風の概要

 台風19号は、105日未明にマーシャル諸島近海で発生した熱帯低気圧が急発達し、7日には915hPaを記録、「猛烈な」台風となりました。その後、「非常に強い」勢力を保ったまま日本に接近、1219時前に「大型で強い」勢力で伊豆半島に上陸しました。上陸時の中心気圧は955hPa、中心付近の最大風速は40m/秒であり、その後、関東地方および福島県を通過し、13日には海上へと抜けました(図1)。



台風19号の通過に伴い、関東地方および東北地方の太平洋側で豪雨が発生しました。台風中心付近における台風本体の降水に加えて、栃木県や福島県では、南東からの湿った空気が山地に当たることにより、地形性降雨が強化されました。1010日から13日までの期間における最大72時間降水量を図2でご覧ください。東日本の広い範囲で、400mm以上の降水に見舞われ、170を超える全国のアメダス観測所で、72時間降水量の観測史上1位が更新されています。数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨情報である「記録的短時間大雨情報」も、神奈川県および岩手県で発表されました。また、数十年に一度程度の降水量となる大雨が予想される場合に発表される「大雨特別警報」が13都県において発表されました。

2.被害について

 台風19号により、東北、中部、関東各地域で、河川氾濫などの水害が発生しています。河川の被害状況は、決壊などが52河川の73か所に上っているとの報告もありますが、いま被害の詳細について国土交通省が調査中です。このような広域にわたり同時多発的に水害が発生する災害は稀にみる事態です。

 消防庁による10月17の被害状況報告では、死者・行方不明者79名、負傷者349名、家の半壊94棟、一部損壊81,671棟、床上・床下浸水33,616棟となっています。特に宮城県、福島県、茨城県、栃木県、埼玉県、新潟県、長野県、静岡県の8県では浸水による被害が甚大です。また、千葉県、東京都、神奈川県、福島県の4県では、強風などによる住家の全半壊および一部損壊被害も発生しており、詳細な情報の把握が求められています。

 

3.企業の対応について

 台風19号の上陸が懸念される状況で、気象庁が最大限の警戒と早めの備えを呼びかけました。上陸に先立つこと3日前の緊急会見は異例のこととして報道されました。この呼びかけや事前のリスク情報に従い、鉄道事業者は事前に計画運休を発表しました。また、多くの店舗が上陸日の休業を事前アナウンスしました。東日本大震災以降、地震災害や気象災害などに見舞われている日本社会が、いかに自然災害と共生していくかという答えの兆しが見えたように思います。

 今後も日本では、地震、気象災害など自然災害が頻発することが想定されます。企業経営においては、自然災害に対す事前情報の収集、正確な情報分析が求められます。特に自社事業への影響を予想し、経営判断を行う能力は必須となります。日頃から、自然災害に対して情報感度を高めると共に、危機管理対応訓練などで判断能力を磨くことが重要です。

 

4.各機関による台風19号の参考情報

 現在、台風19号の被害からの復旧・復興など対応に尽力されている事業者、今後の台風を含む気象災害への対応について、事業継続計画(BCP)やタイムラインの点検に努めている事業者など、まだ各社にて台風19号の対応は進行中かと思います。

 そのような対応や点検において参考となり有益な基礎情報を公開するWEBサイトを以下に紹介します。弊社コンサルタントも頻繁に参照しているWEBサイトになります。ご参考にしていただければ幸いです。

 

■内閣府 防災情報のページ

全都道府県にまたがる被害の詳細情報がまとめられたレポートが時系列で公開されています。「最近発生した災害の情報」にあるリストから必要な情報を確認することができます。

http://www.bousai.go.jp

 

■防災科学技術研究所:クライシスレスポンスサイト

台風19号の台風経路、解析雨量や推定地上風速などのハザード情報の他に通信、停電の状況などがリアルタイム情報としてまとめられて公開されています。

http://crs.bosai.go.jp/DynamicCRS/index.html?appid=9424c7b32d784b60a9b70d59ff32ac96

 

■東北大学災害科学国際研究所( IRID eS )の災害速報

東京海上日動が寄付講座を設置している東北大学災害科学国際研究所(IRIDeS)による台風19号災害の情報です。研究者による現地調査や考察が有益です。

http://irides.tohoku.ac.jp/topics_disaster/typhoon19-2019.html

 

5.弊社の関連サービス

 弊社では、企業の自然災害の備えとして、以下のように様々なサービスを用意しております。お困りのことがあれば何なりとご相談ください。

 

■自然災害リスク評価(風災)

https://www.tokiorisk.co.jp/service/natural_risk_assessment/wind/

 

■自然災害リスク評価(水災)

https://www.tokiorisk.co.jp/service/natural_risk_assessment/water/

 

■事業継続計画(BCP)策定支援

https://www.tokiorisk.co.jp/service/bcp/establishment/

 

■事業継続マネジメントシステム(BCM)・事業継続計画(BCP)訓練支援

https://www.tokiorisk.co.jp/service/bcp/bcp_training/


執筆コンサルタントプロフィール

企業財産本部 リスク定量化ユニット

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