同一労働同一賃金の実現に向けて ~2021年4月から中小企業にも適用されます~

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2020/10/7

 同一企業内における正社員(無期雇用フルタイム労働者)とパートタイム労働者・有期雇用労働者との間の不合理な待遇の差をなくし、どのような雇用形態を選択しても待遇に納得して働き続けられるようにすることを目的として、パートタイム・有期雇用労働法(「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」の改正法)が202041日に大企業を対象として施行されており、中小企業においても202141日に施行されます。

 この法律改正のポイントは①不合理な待遇差の禁止、②労働者に対する待遇に関する説明義務の強化、③行政による事業主への助言・指導等や裁判外紛争解決手続(行政ADR)の規定の整備、の3点となっています。中でも「①不合理な待遇差の禁止」については、同一企業内において正社員とパートタイム・有期雇用労働者の間で、基本給や賞与などのあらゆる待遇について、不合理な待遇差を設けることを禁じています。具体的には、「均衡待遇(不合理な待遇差の禁止※1)」と「均等待遇(差別的取扱いの禁止2)」について法律において規定するとともに、どのような待遇の差が「均衡・均等待遇」の観点から不合理であるのかを明確にするため、「同一労働同一賃金ガイドライン3」が示されています。ガイドラインでは、基本給、昇給、賞与、各種手当などの賃金に加え、教育訓練や福利厚生等について、具体的な例を示し、待遇差が不合理であるか否かを示しています。また、具体例に該当しない場合等は、各社の労使で個別具体の事情に応じて話し合いにより議論することが望ましいとされています。

 これまで、同一労働同一賃金をめぐっては、どのような待遇差が不合理であるかの判断が必ずしも明確ではありませんでしたが、このガイドラインにより、判断基準が明示された形となります。企業においては、このガイドラインを参照するとともに、ガイドラインに規定されていない手当等についても、法律の趣旨にのっとり、待遇差について点検し、必要に応じて修正することが求められます。

 同一労働同一賃金における不合理な待遇差を巡って、この10月に最高裁での判決が出ることを受けて、係争中の代表的な裁判について解説するセミナーが1021日(水)に開催されます(集合形式/オンライン形式)。同一労働同一賃金にご関心のある方は、参加されてみてはいかがでしょうか。


▼公益社団法人 全国労働基準関係団体連合会主催
同一労働同一賃金の最高裁5判決を水町教授が読み解く緊急セミナー(10/21(水)開催)
http://www.zenkiren.com/topics/itemid022-000455.html


※1:不合理な待遇差の禁止:①職務内容(業務の内容+責任の程度)、②職務内容・配置の変更範囲、③その他の事情 の内容を考慮して不合理な待遇差を禁止

2:差別的取扱いの禁止:①職務内容(業務の内容+責任の程度)、②職務内容・配置の変更範囲が同じ場合は、差別的取扱いを禁止

3:同一労働同一賃金ガイドライン:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000190591.html 


執筆コンサルタントプロフィール

坪井 千香子
製品安全・環境本部 エキスパートコンサルタント

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